2024 年度 前田研究室 研究紹介
ケージングマニピュレーション
物体が逃げられないように幾何学的に拘束するケージングの状態を利用して物体をあやつる
ことを,ここでは「ケージングマニピュレーション」と呼ぶことにする.
In-Hand ケージングマニピュレーション 物体をケージングの状態に保ったまま,ハンドのコ
ンフィギュレーションを変化させることで,ハンドの中で物体の位置・姿勢を変化させるこ
とができる.これを我々は「In-Hand ケージングマニピュレーション」と呼んでいる.この
方法には,物体のセンシングをせずに位置制御でロバストな In-Hand マニピュレーションが
実現できるというメリットがあり,マニピュレーション計画アルゴリズムの開発,汎用パー
ツフィーダへの応用 (Fig. 13) などを行っている [1][2][3][4][5].
協調ケージングマニピュレーション ケージングでは物体の自由度を完全には拘束しないこと
を利用すると,位置制御ベースの協調マニピュレーションにおいても,対象物に対する過大
な内力の発生を回避することが可能になる.そこで,ケージング(もしくはケージングベー
スト把持)を利用した長尺物の双腕協調搬送の研究 (Fig. 14) を行っている [6].力制御を必
要とせず,エンドエフェクタを変えることで多様な物体のハンドリングが可能となる.
参考文献
[1] Y. Maeda and T. Asamura: Sensorless In-hand Caging Manipulation, W. Chen et al. eds., Intelligent
Autonomous Systems 14, pp. 255–267, Springer, 2017.
[2] S. Komiyama and Y. Maeda: Position and Orientation Control of Polygonal Objects by Sensorless
In-hand Caging Manipulation, Proc. of IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation (ICRA 2021),
pp. 6244–6249, 2021.
[3] 上久木田 治毅, 中西 佑太, 前田 雄介: センサレス in-hand ケージングマニピュレーションによる汎用
パーツフィーダの実現, 第 22 回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2021)
講演論文集, pp. 3246–3248, 2021.
[4] 中西 佑太, 上久木田 治毅, 込山 隼, 前田 雄介: 汎用パーツフィーダのための平面内センサレス in-hand
ケージングマニピュレーションの計画, 日本ロボット学会誌, Vol. 41, No. 9, pp. 801–804, 2023.
[5] 上久木田 治毅, 前田 雄介: ケージング方式パーツフィーダのためのパーティクルフィルタを用いた外
界センサレス物体判別, 日本ロボット学会誌, Vol. 42, No. 3, 2024 (to appear).
[6] 平木 友香里, 前田雄介: ケージングを利用した力制御を要しない双腕協調搬送, 日本機械学会ロボティ
クス・メカトロニクス講演会 2020 (ROBOMECH 2020) 講演論文集, 2A1-M05, 2020.
Fig. 13 A Versatile Part
Feeder with In-Hand Caging
Manipulation
(a) wire harness (b) long pipe
Fig. 14 Dual-arm Cooperative Manipulation with Caging
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