2022 年度 前田研究室 研究紹介
ケージングとケージングベースト把持
多指ハンドによる三次元ケージング ケージング (caging) とは,移動ロボットやロボットの指
で,物体をある閉じた領域に幾何学的に拘束し,その外には脱出できなくする物体拘束手法
である.本研究室では,三次元多指ケージング (Fig. 9) の研究を行っている.ケージングは
位置制御によって実現できるため現在のロボットハンドと親和性が高く,ロボットマニピュ
レーションのレパートリーを増やすという点で有効であると考えられる.現在,ケージング
成立のための条件の導出や,それを利用したケージングのための指姿勢の自動計画手法の開
発 [1],実機による検証 [2] (Fig. 10) を行っている.
ケージングベースト把持 ケージングの利点を活かしつつ,物体を把持する手法として,「ケー
ジングベースト把持」を提案している.この方法では,剛体部とその外側の柔軟部でロボッ
ト指を構成し,剛体部によって対象物をケージングした上で,柔軟部の作用により把持を
完成させる.これにより,力センシング・力制御なしでの物体把持を実現できる.我々は,
このケージングベースト把持を定式化し,把持を完成させるための条件の導出を行ってい
る.また,各種ハンドによるケージングベースト把持 (Fig. 11) を実機により実現している
[3][4].対象物が変形可能物体である場合に対する拡張 (Fig. 12) も行っている [5][6].
参考文献
[1] 槇田 諭, 渡邉 匠, 前田 雄介: 三次元多指ケージングの十分条件の導出―対称ハンドによる四種類の単
純形状物体の拘束―, 日本ロボット学会誌,Vol. 28, No. 5, pp. 599–605, 2010.
[2] S. Makita, K. Okita and Y. Maeda: 3D Two-Fingered Caging for Two Types of Objects: Sufficient
Conditions and Planning, Int. J. of Mechatronics and Automation, Vol. 3, No. 4, pp. 263–277, 2013.
[3] Y. Maeda, N. Kodera and T. Egawa: Caging-Based Grasping by a Robot Hand with Rigid and Soft Parts,
Proc. of 2012 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation (ICRA 2012), pp. 5150–5155, 2012.
[4] T. Egawa, Y. Maeda and H. Tsuruga: Two- and Three-dimensional Caging-Based Grasping of Objects
of Various Shapes with Circular Robots and Multi-Fingered Hands, Proc. of 41st Ann. Conf. of IEEE
Industrial Electronics Soc. (IECON 2015), pp. 643–648, 2015.
[5] D. Kim, Y. Maeda and S. Komiyama: Caging-based Grasping of Deformable Objects for Geometry-
based Robotic Manipulation, ROBOMECH J., Vol. 6, 3, 2019.
[6] 込山 隼, 金 ダベ, 前田 雄介: パウチ状物体を含む変形可能物体のケージングベースト把持, 日本機械学
会ロボティクス・メカトロニクス講演会 2019 (ROBOMECH 2019) 講演論文集, 2A2-G08, 2019.
Fig. 9 3D Multifin-
gered Caging
Fig. 10 Caging of a
Sphere
Fig. 11 Caging-
based Grasping by a
Multifingered Hand
Fig. 12 Caging-
based Grasping of a
Deformable Object
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