Word ファイルに画像等のさまざまなオブジェクトを調子に乗って 貼り付けていると,とんでもなく 巨大なファイルサイズになってしまうことがあります. WindowsNT 系の OS を使っている場合は,少々ファイルサイズが大きくなっても 何とかなるようですが,編集のレスポンス等やファイルのやりとりを考えると やはり考えものです. 下記のような点に気をつけると,ファイルサイズの増大をある程度抑えることができます.
Excel のグラフを Word に貼り付けるとき,そのままペーストしてしまうと, Excel のグラフオブジェクトとして貼り付けられてしまいます. このグラフオブジェクトの中には,元のデータまで含まれているので, Word ファイルのファイルサイズが大きくなってしまいがちです.
この場合,貼り付けの際に「形式を選択して貼り付け」を選び, 「図(拡張メタファイル)」形式で貼り付けることによって, グラフのグラフィックデータだけを Word ファイルに入れることが できます.もちろんこの場合は,Word 上でグラフをダブルクリックして Excel データとして再編集することはできなくなってしまいますが, 貼り付け元の Excel ファイルさえきちんと保存しておけば 困ることはあまりないでしょう. これは Excel のグラフに限らず様々なベクトル形式の画像の 貼り付けに応用できます.
ビットマップ画像も Word のファイルサイズを大きくする要因の一つです. ふつうに非圧縮のビットマップデータをクリップボード経由でどんどん 貼りつけていくと,あっという間にファイルサイズが巨大化してしまいます.
※ Word 2002 では画像に圧縮がかかる場合もあるようです.
しかし,Word 2000 の場合,JPEG と PNG の画像に関しては, DOC ファイル内にそのまま取り込めるようになっているようです. したがって,自然画系の画像なら JPEG ファイルに,CG 系の画像なら PNG ファイルに変換しておいてから,メニューの 「挿入」→「図」→「ファイルから」 を選んで Word 文書に挿入することで,ファイルサイズの増加を 抑えられます.
なお,いちいち画像ファイルを作成するのが面倒な場合は, いったん画像を PowerPoint 2000 に貼り付けておいてから, これをコピーして Word 2000 に対して「形式を選択して貼り付け」とする テクニックがあります. こうすると,形式として JPEG や PNG が選べます. ただし,その際の画像の品質についてはよくわかりません.
※ Office XP では,わざわざ PowerPoint を起動しなくてもよくなった ようです.Word 2002 で,いったん貼り付けた画像を切り取って, そこで「形式を選択して貼り付け」とすれば,JPEG や PNG が選べます.
「形式を選択して貼り付け」はよく使うわりにメニューの深い位置にあるので, VBA のマクロを用意しておくと便利です.
Sub PasteAsText() On Error GoTo EXCEPTION Selection.PasteSpecial DataType:=wdPasteText, Link:=False Exit Sub EXCEPTION: MsgBox Error(Err), vbExclamation End Sub上記はテキスト形式で貼り付ける場合です. 拡張メタファイルにする場合は
DataType:=wdPasteEnhancedMetafileとします.
<参考>
複数の Word ファイルを統合して1つの大きな文書を作る グループ文書(かつての「マスター文書」)の機能は有用なはずですが, 下記のような致命的に近いバグが存在するので,Word 2000 では 利用しない方が良いでしょう.
<参考>